こんにちは!「医師のキャリア相談所」のbatao(ばたお)です。
近年、子育て中医師の先生方がご自身のライフステージに合わせてキャリアを継続していくための選択肢が、少しずつ増えてきています。結婚、出産、育児、介護など、様々なライフイベントと医師としてのキャリアを両立させることは、決して簡単なことではありません。以前の記事ではキャリアを維持しつつ働く際のポイントをお話いたしました。
「ハードな働き方はもう厳しいけれど、医師の仕事を辞めたくはない…」 「子どもとの時間を大切にしながら、専門性も維持したい…」
そんな悩みを抱える先生方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、女性医師の先生方が柔軟にキャリアを築いていくための具体的な働き方として、「時短勤務」「非常勤での働き方」「緩やかな働き方ができる診療科への転科」の3つに焦点を当て、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ご自身の状況や希望に合わせて、最適な選択肢を見つけるヒントになれば幸いです。

子育て優先での働き方も諦めない。是非参考にしてみてください。
1. 時短勤務での働き方
「時短勤務」は、フルタイムよりも短い時間で働く制度です。主に育児や介護を理由に利用されることが多いですが、近年はその他の理由で柔軟な働き方を希望する医師も増えています。
メリット
キャリアの継続と専門性の維持
同じ職場で働き続けることで、専門性を維持しやすく、キャリアのブランクを最小限に抑えられます。
家庭との両立のしやすさ
勤務時間が短くなるため、育児や家事、介護に充てる時間を確保しやすくなります。
社会保障の安定
常勤職員としての社会保障(健康保険、厚生年金など)が継続されるため、経済的な安心感があります。
職場への復帰がスムーズ
慣れた職場で、人間関係も維持しながら復帰できるため、精神的な負担が少ないです。
給与が安定している
非常勤に比べると月給制であることが多く、毎月の収入が安定しやすいです。
デメリット
収入の減少:勤務時間が減る分、当然ながら収入は減少します。
責任範囲の制約:重要な症例や手術、役職など、フルタイムの医師と同じ責任を負うことが難しい場合があります。
周囲との連携:勤務時間が異なるため、情報共有やチーム内での連携に工夫が必要になることがあります。
昇進・昇給への影響:勤務時間が短いことが、昇進や昇給の評価に影響する可能性もゼロではありません。
職場によっては制度が未整備:まだ時短勤務制度が十分に整っていなかったり、理解が得られにくい職場があることも事実です。
2. 非常勤での働き方(スポット・定期非常勤)
「非常勤」は、週に数日や特定の曜日・時間帯のみ働くスタイルです。単発の「スポット勤務」と、継続的な「定期非常勤」があります。
メリット
最大の柔軟性
勤務日数や時間を自分で細かく調整できるため、プライベートの予定を最優先しやすいです。複数の職場で働くことも可能です。
高時給・高日給
フルタイムに比べると、時給や日給は高めに設定されていることが多いです。
人間関係の負担軽減
組織に深く関わらないため、複雑な人間関係に悩まされにくい傾向があります。
幅広い経験を積める可能性
複数の職場で異なる症例や環境を経験できるため、視野が広がります。
責任範囲の限定
常勤医に比べ、負うべき責任が限定的である場合が多いです。
デメリット
収入の不安定さ
勤務日数や依頼内容によって収入が変動しやすく、安定性に欠ける場合があります。
社会保障が手薄
健康保険や厚生年金などの社会保障が個人で加入するものになり、保障内容が手薄になる可能性があります(勤務状況による)。
キャリアアップの難しさ
特定の専門性を深めたり、役職に就いたりといったキャリアパスを描きにくい傾向があります。
所属意識の希薄さ
職場への帰属意識が薄れ、情報共有や連携の面で疎外感を感じることも。
ブランクが生じやすい
勤務期間が空くと、医療知識や手技の維持が難しくなるリスクがあります。
3. 緩やかな働き方ができる診療科への転科
「子育てが落ち着いたらまたバリバリ働きたいけれど、今は厳しい…」「外科系から内科系へ」など、よりワークライフバランスを取りやすい診療科への転科も、女性医師のキャリアを考える上で有効な選択肢です。
比較的「緩やかな働き方」がしやすいと言われる診療科には、例えば精神科、皮膚科、眼科、麻酔科(非常勤として)、健診・産業医などがあります。(もちろん、これらの診療科でもハードな働き方が存在する可能性はあります。)
メリット
長期的なキャリア継続の可能性
ライフステージの変化に合わせて、無理なく医師として働き続けることができます。
ワークライフバランスの改善
当直や緊急対応が少ない診療科であれば、プライベートの時間を確保しやすくなります。
新たな専門性の獲得
新しい分野に挑戦することで、医師としての知見やスキルを広げることができます。
セカンドキャリアの構築
一度身につけた医師のスキルを活かしつつ、心機一転、新たな分野で活躍できます。
デメリット
時間と労力がかかる
新たな知識やスキルを習得するための学習、研修期間が必要となり、時間と労力がかかります。
収入の一時的な減少
転科に伴う研修期間中や、初期のキャリアでは収入が減少する可能性があります。
専門医資格の再取得
転科する診療科によっては、再度専門医資格の取得が必要になる場合があります。
これまでの経験の活かし方
これまで培ってきた専門性が、転科先で完全に活かせない場合もあります。
年齢的な制約
転科する年齢によっては、新しい環境への適応や学習に苦労することもあるかもしれません。
どの働き方があなたに合っている?
今回ご紹介した3つの働き方は、それぞれ一長一短があります。
時短勤務は、現職に留まりながら柔軟性を求める方。 非常勤は、最大限の自由度と高い時給を求める方。 転科は、長期的な視点で働き方そのものを見直したい方。
というように、ご自身のライフプランやキャリアビジョンによって最適な選択は異なります。
大切なのは、ご自身が「どんな医師になりたいか」「どんな生活を送りたいか」を明確にすることです。自己分析をしっかり行い、ご自身の価値観や希望を深く理解した上で、それぞれの働き方のメリット・デメリットを比較検討してみてください。
そして、「どの選択肢が良いのか、一人で決めるのは不安…」と感じたら、ぜひキャリアコンサルタントにご相談ください。先生方の状況を丁寧にお伺いし、最適な働き方を見つけるお手伝いをさせていただきます。
女性医師の先生方が、ご自身のライフステージに合わせて、納得のいくキャリアを築いていけるよう、心から応援しています!
batao(ばたお)
››note投稿始めました
››X(Twitter)はこちら
