こんにちは!「医師のキャリア相談所」運営者のbatao(ばたお)です。前回の記事では、医師の転職市場における年収のリアルな相場と、「年収3000万円以上」といった高額求人の実態について解説しました。
多くの先生方が、転職によって年収2000万円程度までは目指せると理解されたかと思います。しかし、自身の専門性や経験、そして体力的な限界から、「これ以上、転職で年収を上げるのは難しいかもしれない」と感じる時期が来るかもしれません。
では、そんな時に医師はどのようにして収入を増やしていけば良いのでしょうか? 今回は、私が人材紹介会社で様々な医師のキャリアを見てきた経験から、「転職以外の方法で収入を増やす4つの戦略」について詳しく解説していきます。

本業以外での収入源があるといざというときにも安心感があります。無理のない範囲で自身にあった収入アップ方法を実践しましょう。
1. 「外勤を増やす」:最も手軽で直接的な収入アップ策
最も手軽かつ直接的に収入を増やす方法の一つが、「外勤(非常勤アルバイト)」を増やすことです。本業の傍ら、週に数時間や月に数回、他の医療機関で勤務することで、効率的に収入を上乗せできます。
多様な外勤の種類
定期非常勤
週に〇曜日午後のみ、月〇回土曜午前のみ、といった固定の勤務です。安定した収入源となります。
スポット(単発)
当直、日当直、外来、健診、美容系クリニックなど、単発で高額な報酬が得られる勤務です。急な出費や短期的な収入増を目指す場合に有効です。
メリット
即効性がある
勤務すればすぐに収入に直結します。
経験の幅が広がる
異なる医療機関や診療内容に触れることで、自身のスキルや知見を広げられます。
人脈が広がる
新しい職場で出会う医師やスタッフとの交流を通じて、新たな人脈を築けます。
注意点
体力的な限界
本業との両立で体力を消耗し、健康を損なうリスクがあります。無理のない範囲で調整しましょう。
本業への影響
過度な外勤は、本業のパフォーマンス低下や疲労によるミスにつながる可能性があります。勤務先の就業規則で外勤が禁止されていないか、事前に確認することも重要です。
税金面
副業収入が増えることで、確定申告が必要になる場合があります。
外勤は、自身のライフスタイルや体力に合わせて調整できる柔軟性が大きな魅力です。まずは、週1回や月数回といった無理のない範囲から始めてみるのがおすすめです。
2. 「独立開業して経営者になる」:大きなリターンとリスクを伴う選択
医師が自身の裁量で収入を大きく増やしたいと考えたときに、最もダイナミックな選択肢となるのが「独立開業」です。医師としてのスキルに加え、経営者としての手腕が問われます。
メリット
収入の最大化
診療が軌道に乗れば、勤務医時代とは比較にならないほどの高収入を得られる可能性があります。
理想の医療の追求
自身の理想とする診療方針や医療提供体制を自由に構築できます。
ワークライフバランスの調整
診療時間や休診日を自分で設定できるため、ある程度、自分のライフスタイルに合わせて働き方を調整できます(ただし、開業初期は激務になりがちです)。
注意点
経営リスク: 医療機関の経営は、集患、人材確保、設備投資、税務など、多岐にわたる知識と手腕が必要です。経営がうまくいかなければ、赤字になるリスクも伴います。
多大な初期投資: クリニックの開設には、場所の選定、内装、医療機器の購入、人件費など、数千万円から億単位の初期投資が必要です。
責任の増大: 経営者として、患者さんへの責任だけでなく、スタッフの雇用責任、資金繰りの責任など、あらゆる面での責任を負うことになります。
孤独: 全ての判断を自分で行うため、相談できる相手がいないと感じることもあります。
開業は、医師としての専門性だけでなく、ビジネスセンスやリスクを負う覚悟が求められる、非常に大きな挑戦です。明確なビジョンと周到な準備が不可欠であり、安易に踏み出すべきではありません。
3. 「経験を活かした副業に挑戦する」:スキルを多角的に活用する
近年、医師の副業の選択肢は非常に多様化しています。臨床経験や専門知識を活かし、本業以外の分野で収入を得る方法です。これは、医師としての知見を多角的に活用し、新しいキャリアの可能性を広げることにもつながります。
主な副業の例
医療系コンテンツ作成
医療記事の執筆、監修、医療系YouTubeチャンネル運営、SNSでの情報発信。
医療系コンサルティング
医療機関の経営コンサル、製薬会社や医療機器メーカーへのアドバイス。
医療系セミナー講師
専門知識を活かして、一般向けや医療従事者向けの講演を行う。
オンライン診療・健康相談
自宅からできるオンラインでの健康相談やセカンドオピニオン。
メディカルライティング
論文作成支援、臨床研究の統計解析支援。
医療系ベンチャーへの参画
アドバイザーとして、あるいは非常勤で関わる。
メリット:
時間的な柔軟性
自分のペースで仕事を進められることが多いです。
新たなスキルの獲得
ライティング、プレゼンテーション、マーケティングなど、ビジネススキルを身につけられます。
やりがい
臨床とは異なる形で、社会に貢献できる喜びを感じられます。
注意点:
本業への影響
本業に支障が出ない範囲で行うこと。
情報管理
医療情報の取り扱いには細心の注意を払い、守秘義務を徹底しましょう。
就業規則の確認
勤務先の就業規則で副業が認められているか、事前に確認が必要です。
確定申告
副業収入によっては確定申告が必要になります。
副業は、リスクを抑えつつ収入源を増やし、将来的なキャリアパスの選択肢を広げるための良いステップとなります。
4. 「投資でお金に働いてもらう」:資産形成の視点を持つ
これは直接的な「労働収入」ではありませんが、医師として得た高収入を効率的に運用し、「お金にお金を稼いでもらう」という視点を持つことも、長期的な資産形成と収入増に不可欠です。
主な投資の種類
株式投資
個別株、投資信託(S&P500などのインデックス投資)など。
不動産投資
賃貸経営による家賃収入。
iDeCo・NISA
税制優遇のある積立投資制度。長期的な資産形成に適しています。
メリット
不労所得の可能性
適切に運用すれば、労働することなく収入を得られます。
資産の増加
インフレ対策や老後資金の準備にもつながります。
時間的な自由
投資は、本業やプライベートの時間を大きく圧迫しません。
注意点:
リスク
投資には元本割れのリスクが伴います。必ず余剰資金で行い、リスクを分散させましょう。
知識が必要
投資に関する正しい知識を身につけることが重要です。安易な情報に惑わされないようにしましょう。
時間と手間
投資先の選定や管理には、ある程度の時間と手間がかかります。
投資は、医師としての忙しい日々の中でも実践しやすい収入増の方法です。長期的な視点を持ち、計画的に資産形成を進めることが重要です。
まとめ:医師の収入増は、多角的な視点と戦略で実現する
今回は、転職で年収アップの限界を感じた医師が、それ以外の方法で収入を増やすための4つの戦略について解説しました。
医師のキャリアは非常に長く、ライフステージや社会情勢の変化に合わせて、柔軟に働き方や収入の増やし方を調整していくことが大切です。
外勤で即座の収入アップを図り、副業でスキルを多角的に活用し、そして投資でお金を働かせる。 さらに、興味と準備があるなら開業という大きな道も視野に入れる。
これらの選択肢は、それぞれ異なるメリットとリスクを伴いますが、あなた自身のスキルと時間を最大限に活かし、納得のいく収入とキャリアを実現するための大切な戦略となります。
この情報が、あなたの医師としてのキャリアをより豊かにする一助となれば幸いです。
batao(ばたお)
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