こんにちは!「医師のキャリア相談所」のbatao(ばたお)です。
これまで多くの先生方の転職のご相談をお受けしてきました。
その中で、多くの先生方から「産業医ってどうなの?」というご質問をいただきます。
今回は、そんな疑問にお答えすべく、産業医資格を取得することの転職市場におけるメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
この記事を読めば、こんなことが分かります!
・産業医資格が転職市場でどんな価値を持つのか?
・「安定」と言われる産業医の働き方の real!
・資格取得の際に知っておくべきリスクや注意点
若手〜中堅の先生方で、キャリアパスに悩んでいる方、将来の働き方を考えている方はぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. 転職市場から見た産業医資格取得の「メリット」
まずは、産業医資格を持っていることで転職市場において有利になる点を見ていきましょう。
1-1. 選択肢が圧倒的に広がる!多様な働き方を実現できる
産業医資格は、医師としてのキャリアの幅を大きく広げる「パスポート」のようなものです。
企業への転職機会の創出
臨床医の募集とは別に、一般企業、自治体、大学、あるいは健康保険組合など、多岐にわたる組織での産業医求人に応募できるようになります。
これは臨床医のキャリアでは考えられない選択肢です。
フルタイムからパートタイムまで柔軟な働き方
常勤の専属産業医として安定した環境で働く道もあれば、週1~3日程度の非常勤(嘱託)産業医として複数の企業を掛け持ちする働き方も可能です。
これは「もう少し自分の時間を持ちたい」「子育てと両立したい」といった先生方にとって、非常に魅力的なポイントです。
地域を選ばないニーズ
大企業はもちろん、中小企業でも産業医設置の義務があるため、都市部だけでなく地方でも一定のニーズがあります。
1-2. ワークライフバランスを重視した「安定」した働き方
「医師=激務」というイメージが強い中、産業医はワークライフバランスの改善を目指しやすい職種として知られています。
原則日勤・オンコールなし:
多くの産業医の仕事は、土日祝休み、日勤が基本です。夜間勤務やオンコールがほとんどないため、規則的な生活リズムを送りやすくなります。
心身の負担軽減
臨床現場特有の緊張感や緊急対応が少ないため、精神的・肉体的な負担が軽減されることが多いです。
長期的なキャリアを考える上で、健康的に働き続けたいと考える先生にとっては大きなメリットでしょう。
定年後のセカンドキャリアとしても◎
医師としての専門知識や経験は、年齢を重ねても産業医として高く評価されます。
定年後のセカンドキャリアとして、自身のペースで長く働き続けたい方にとっても魅力的な選択肢です。
ただし、通常医療機関よりも定年制度が厳しく設定されていることが多いです。定年となる年齢の前に企業とのパイプを作っておきましょう。
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1-3. 臨床とは異なる「新たな専門性」と社会貢献
産業医は、臨床医とは異なる視点から医療に貢献できます。
予防医学・公衆衛生の専門家へ
従業員の健康管理を通じて、病気の予防や健康増進に深く関わることができます。
これは個人を診る臨床医学とは異なり、集団の健康を守るという、より大きなスケールでの社会貢献に繋がります。
多様なスキルアップ
労働安全衛生法規、メンタルヘルス、ストレスチェック、職場環境改善、健康教育など、医学以外の幅広い知識やスキルが求められます。
新たな分野を学ぶことで、医師としての視野を広げ、自身の専門性を深めることができます。
企業経営への参画
企業の健康経営をサポートすることで、単なる医療行為を超え、組織全体の生産性向上やリスク管理にも貢献できます。
経営層や人事部と連携する中で、ビジネス視点も養うことができるでしょう。
2. 転職市場から見た産業医資格取得の「デメリット・リスク」
次に、産業医資格取得を検討する際に知っておくべきデメリットやリスクについても正直にお伝えします。
2-1. 収入が下がる可能性と初期投資
これは多くの先生が一番気にされる点かもしれません。
臨床医時代より収入が下がることも
特に高給だった臨床医から常勤産業医に転職する場合、年収が下がるケースは少なくありません。
医師の求人全体で見ても、高水準の給与を提示する産業医求人は、臨床医に比べると数は限られます。
資格取得にかかる費用と時間
産業医資格の取得には、大学の産業医科大学院での履修や指定の研修受講など、数十万円単位の費用と、まとまった学習時間が必要となります。
これらは自己投資として考える必要がありますが、初期費用として認識しておくべきです。
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2-2. 臨床スキル維持の難しさとブランク問題
産業医の業務は、直接的な治療行為ではありません。
臨床スキルが鈍る可能性
日々患者さんを診ていた臨床現場から離れることで、手技や最新の治療法、疾患に関する知識がアップデートされにくくなる可能性があります。
将来の臨床復帰への影響
もし将来的に再び臨床現場に戻りたいと考えた場合、産業医としてのブランクが、再就職のハードルとなる可能性もゼロではありません。特に専門性の高い領域では、臨床経験の継続性が重視される傾向にあります。
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2-3. 企業文化への適応と立場の中立性の難しさ
産業医として働く上で、独特の難しさもあります。
企業文化への適応
医療機関とは異なる一般企業の組織文化や慣習に適応していく必要があります。
医療業界では当たり前だったことが、企業では通用しないというギャップに戸惑うこともあるかもしれません。
企業と労働者の板挟み
産業医は企業に雇用されていますが、同時に労働者の健康を守る義務があります。
時には企業の意向と労働者の健康の間でジレンマが生じ、難しい判断を迫られる場面も出てくる可能性があります。
中立性を保ちながら、双方にとって最善の解を導き出す力が求められます。
「診断・治療ではない」業務の難しさ
産業医の業務は、診断や治療ではなく、あくまで健康管理やアドバイスが中心です。
患者を直接「治す」という臨床医としてのやりがいとは異なり、業務内容に物足りなさを感じる先生もいらっしゃるかもしれません。
2-4. 求人数の傾向と競争率
産業医の求人は、確かに増加傾向にありますが、その特性ゆえの競争もあります。
常勤産業医の求人は稀少
特に大手企業の専属産業医のポジションは人気が高く、募集が出てもすぐに埋まってしまう傾向にあります。倍率が高くなることも少なくありません。
嘱託産業医は案件数が多め
一方で、非常勤の嘱託産業医の案件は比較的多く、複数の企業を掛け持ちすることで、安定した働き方が可能です。
ただし、契約期間が定められていることが多く、定期的に新しい案件を探す手間が発生することもあります。
3. 産業医資格取得を「成功」させるためのポイント
これらのメリット・デメリットを踏まえて、産業医資格取得そして資格を活かした働き方をするにはどうすれば良いでしょうか?
具体的なキャリアプランを描く
「なぜ産業医になりたいのか?」「産業医として何を達成したいのか?」を具体的に言語化してみましょう。漠然としたイメージだけでなく、自身のライフプランや収入目標と照らし合わせて考えることが重要です。
情報収集と人脈形成
実際に産業医として活躍している先生方の話を聞いたり、産業医の研修会や学会に参加して情報収集したりすることをお勧めします。産業医同士のネットワークは、将来の案件探しや情報交換において非常に役立ちます。
「臨床医としてのスキル」をどう活かすか
これまでの臨床経験は、産業医としても大きな強みになります。自身の専門分野(精神科、内科など)を活かせる産業医求人もありますので、ご自身のバックグラウンドをどのようにアピールできるかを考えてみましょう。
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まとめ:産業医資格は「戦略的キャリアパス」の一つ!
産業医資格は、医師としての新たな可能性を広げ、ワークライフバランスを重視した働き方を実現できる魅力的な資格です。しかし、その一方で収入面や臨床スキルの維持、企業文化への適応など、知っておくべきデメリットやリスクも存在します。
私から言えるのは、産業医資格の取得は、「自身のキャリアを戦略的に構築する」ための一歩だということです。
「産業医に興味はあるけど、実際自分に合っているのか」「どうやって求人を探せばいいの?」など、少しでも迷いや疑問があれば、ぜひ「医師のキャリア相談所」にご相談ください。先生一人ひとりに合ったキャリアパスを一緒に考えていきます。
転職は、人生の大きな転機です。後悔のない選択ができるよう、全力でサポートさせていただきます。
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