転職を考える医師へ|後悔しないための「自己分析」完全ガイド【元エージェントが徹底解説】

転職を考える医師へ|後悔しないための「自己分析」完全ガイド【元エージェントが徹底解説】 転職活動の進め方

こんにちは!「医師のキャリア相談所」のbatao(ばたお)です。

日々の診療で命と向き合い、高度な専門知識を磨かれている先生方は、今、ご自身のキャリアについて何らかの悩みや不安を抱えているかもしれませんね。そして、その解決策の一つとして「転職」が頭に浮かんでいるのではないでしょうか。

私自身、7年間医師専門の人材紹介会社で多くの先生方と向き合う中で、キャリアに悩み始めたとき、「とりあえず転職」と考えてしまう方が非常に多いと感じてきました。

もちろん、転職が素晴らしいきっかけになることは多々あります。
しかし、なぜ転職したいのか、転職で何を得たいのかを深く掘り下げずに動いてしまうと、かえって状況を悪化させてしまうケースも少なくありません。

この記事では、元紹介会社の視点から、後悔しないキャリアを歩むための「自己分析の全ステップ」を一つの完全ガイドとしてまとめました。転職すべきか迷っている先生も、すでに決意を固めた先生も、ご自身のキャリアをより豊かにするための第一歩として、ぜひ最後までじっくり読んでみてください。

この記事を書いた人
医師のキャリア相談所

元医師専門の紹介会社勤務。7年間で300名以上の先生方とキャリア面談を実施し約50人の転職サポートを実施。国家資格キャリアコンサルタント取得。趣味は料理。MBTI診断は建築家(INTJ)。先生方がいきいき働いて日本の医療がもっともっと良くなるような情報発信をしていきます。

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なぜ「とりあえず転職」は危険なのか?

「今の職場が嫌だから」「人間関係に疲れたから」「給料が安いから」

これらの不満を解消するために新しい職場を求めるのは自然なことです。しかし、深い検討なしに動くと、以下のような落とし穴にはまる可能性があります。

結局、同じ問題に直面する
人間関係の悩みは、職場が変わっても自身のコミュニケーションスタイルが原因であれば繰り返されます。忙しさや待遇面も、自身の市場価値やスキルと向き合わなければ、どこへ行ってもギャップを感じてしまうでしょう。

新たな不満が生まれる
今の職場の嫌な点だけを見て転職すると、そこには無かった新しい不満(例:症例が偏っている、教育体制が不十分など)に直面することがあります。

キャリアプランが迷走する
短期的な不満解消のための転職を繰り返すと、一貫したキャリアを築くことが難しくなり、採用側から「またすぐに辞めてしまうのでは?」という懸念を抱かれかねません。

大切なのは、「何が不満か」というネガティブな視点だけでなく、「自分はどうしたいのか」「何を実現したいのか」というポジティブな視点を持つことです。そのために不可欠なのが「自己分析」なのです。

【元エージェントの本音】

「安易な転職」の危険性について解説してきましたが、私自身、キャリア面談で先生のお話をじっくり伺った結果、「先生、転職しないほうがいいんじゃないですか」と、あえて転職をおすすめしなかったケースもあります。
なぜ私がそうお伝えしたのか、その背景にある想いや具体的なエピソードをnoteに綴っています。

「先生、転職しないほうがいいんじゃないですか」私がそう伝えた理由|医師のキャリア相談所/batao(ばたお)
こんにちは!「医師のキャリア相談所」のbatao(ばたお)です。 電車に乗れば、目の前の液晶画面に映る転職サービスの広告。YouTubeを開けば、キャリアアップを謳うインフルエンサー。まるで転職が成功への唯一の道のりであるかのように、魅力的...

第一部:転職を決断する前に考えるべき5つの問い

まずは、ご自身の内面と深く向き合い、これからの希望を整理するための5つの問いから始めましょう。難しく考えず、ペンと紙を用意して、自分にインタビューするような気持ちで取り組んでみてください。

問い1:あなたの「不満」の正体は何か?

「今の職場が嫌だ」と漠然と感じているだけでは、問題は解決しません。まず、その正体を具体的に言語化してみましょう。

  • 何が嫌なのか? (長時間労働、人間関係、給与、教育体制、症例内容、雑務の多さなど)
  • その原因は何か? (病院の構造的な問題か、個人の努力で解決できる問題か、自分自身に原因はないか?)

具体的な不満を書き出すだけでも、思考が整理され、見えてくるものがあります。

問い2:その不満、今の職場で解決できないか?

意外と見落としがちなのが、現職での解決策の可能性です。

  • 上司や同僚に相談しましたか?(業務分担の見直し、部署異動、待遇交渉など)
  • 役割や働き方を変えることはできませんか?(非常勤への切り替え、特定の業務への専念など)
  • 休職やリフレッシュ期間を設けて、冷静に考える時間を作るのはどうでしょうか?

いきなり「辞める」という結論を出す前に、まずは「言ってみたら解決した」というケースも少なくないことを覚えておきましょう。

問い3:「転職で何を得たいのか?」を明確にする

これは、転職後の「理想の状態」を具体的にイメージする質問です。

  • 転職によって、今の不満の何が解消されるのか?
  • 転職によって、あなたは「何を」得たいのか?(専門性の追求、ワークライフバランス、年収アップ、地域貢献など)
  • それは、今の職場では絶対に手に入らないものなのか?

「今の職場では無理」という固定観念を一度捨てて見ましょう。本当に転職でなければ得られないものなのかを冷静に考えてみてください。

問い4:あなたは「何を」重視してキャリアを形成したいか?

短期的な不満解消ではなく、中長期的な視点であなたの「価値観」を整理してみましょう。あなたが仕事をする上で、何を最も大切にしていますか?

  • 貢献: 人の役に立つこと、社会貢献
  • 成長: 新しい知識やスキルを習得すること、キャリアアップ
  • 安定: 長く同じ職場で働くこと、経済的な安定
  • 専門性: 特定の分野を深く追求すること
  • ワークライフバランス: 仕事とプライベートの充実
  • 給与: 経済的な報酬

これらに優先順位をつけて、上位3つ〜5つを明確にしてみましょう。これがあなたの「職場選びの軸」になります。

▶︎ 思考を深めるヒント(note) :「給与」と「ワークライフバランス」の優先順位に悩んだら、年収3000万と週休3日の幸福度について考察したこちらの記事も、思考のヒントになるかもしれません。

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問い5:転職以外の「キャリアパス」も視野に入っているか?

医師のキャリアは、臨床医として病院で働くことだけではありません。

  • 大学医局以外の選択肢(市中病院、クリニック、開業など)は検討しましたか?
  • 産業医や行政医、製薬企業など、非臨床の道も考えましたか?
  • 非常勤を組み合わせるなど、働き方を柔軟にすることで理想に近づけませんか?

情報収集を広げれば広げるほど、選択肢は増えます。知らなかっただけで、あなたにぴったりの道があるかもしれません。

▶︎ あわせて読みたい:【専門医取得後のキャリアプラン】5つの働き方を徹底比較!後悔しない選択とは?


第2部:「本当の希望」を見つけるための実践的ステップ

第1部の問いを通して、ご自身の考えがある程度整理できたのではないでしょうか。次に、それらの答えをさらに深掘りし、具体的な行動指針に落とし込むための実践的なステップをご紹介します。

ステップ1:過去の経験を振り返る(喜びと不満の源泉)

これまでの医師としての経験を振り返り、「感情が動いた瞬間」を書き出してみましょう。

「楽しかった」「やりがいを感じた」のはどんな時ですか?

(例:難しい症例を克服した、患者さんに感謝された、チームで目標を達成した、後輩を指導した)
→ ここから、あなたの「喜びの源泉」が見えてきます。

「不満だった」「ストレスを感じた」のはどんな時ですか?

(例:理不尽な人間関係、長時間労働、正当に評価されない、ルーティンワーク)
→ ここから、あなたが「避けたいこと」「譲れない条件」が見えてきます。

思いつくままに箇条書きにするだけで構いません。

ステップ2:あなたの「強み」と「弱み」を見つける

これまでの経験を通して、ご自身の強みと弱みを客観的に分析してみましょう。

あなたの「強み」は何ですか?

医療知識や技術はもちろん、コミュニケーション能力、チームワーク、危機対応能力、学習意欲など、幅広い視点で考えてみてください。

周囲から「〇〇先生はすごいね」と言われたエピソードを思い出してみましょう。

あなたの「弱み」は何ですか?

苦手なことや改善したい点を正直に書き出すことで、成長の機会にも繋がります。

自分の強みや弱みを理解していると、面接で自信を持って話すことができ、入職後のミスマッチも防げます。

ステップ3:5年後、10年後の自分を想像する

では最後に、将来の自分を具体的にイメージしてみましょう。

5年後、10年後、どんな医師になっていたいですか?
どんな働き方、どんな生活を送っていたいですか?

ここから逆算することで、今、何をすべきかが見えてきます。

▶︎ あわせて読みたい:【現役医師必見】あなたの理想の職場を見つける!医師求人の探し方「4つのルート」と活用術

自己分析のヒント:AIやプロの力も借りてみよう

1. AIを活用してみる

「一人で考えるのは難しい…」そんな時は、ChatGPTのような生成AIに、ステップ1〜3で書き出した内容を入力してみてください。
「これらの情報から私の強みや価値観、向いている働き方を分析してください」と依頼してみるのも一つの手です。客観的な視点から、自分では気づかなかったヒントを得られることがあります。

2. 信頼できるプロに相談する

「考えがまとまらない」と感じることもあると思います。そんなときは、信頼できる転職エージェントに相談するのも有効です。
プロは数多くの医師の相談に乗ってきた経験から、先生の漠然とした思いを言語化し、強みや潜在的な希望を引き出す手伝いをしてくれます。

▶︎ あわせて読みたい:【医師向け】失敗しない!「あなたにぴったりの人材紹介会社」を見つける5つのポイント

プロに相談することは非常に有効な選択肢です。ですが、そのパートナーシップをさらに実りあるものにするためには、先生自身が主導権を握るための「ちょっとしたコツ」があります。

転職エージェントを「あなたの最強の味方」につけて、思い通りに転職活動を進めるための具体的なノウハウをnoteの完全ガイドにまとめていますので、相談を検討している先生はぜひご一読ください。

▶︎ 思考を深めるヒント(note):【医師の転職】紹介会社を「思い通りに動かす」ための完全ガイド

まとめ:自分を見つめ直し、後悔のない一歩を

いかがでしたでしょうか。転職は、医師のキャリアを大きく変える強力な手段ですが、それは「あなたの医師人生をどうしたいのか」という明確なビジョンがあり、その実現のために転職が最適だと判断した場合に限られます。

今回ご紹介した自己分析にじっくり取り組むことで、漠然とした思いが明確になり、より納得のいく選択ができるはずです。

もしこの記事を読んで「もう少し詳しく聞きたい」「一人でやるのは難しい」と感じた場合は、いつでも「医師のキャリア相談所」にご相談ください。あなたの「本当にやりたいこと」を見つけるお手伝いをさせていただきます。

batao(ばたお)
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