はじめに:「良い求人」を選んだはずなのに、なぜ後悔するのか?
「年収も上がった。当直も減った。条件は良くなったはずなのに、なぜか毎日が充実していない……」
転職から1年経った先生から、このようなご相談をいただくことがあります。
客観的に見れば「成功した転職」に見えるケースでも、ご本人が強烈な後悔を抱いていることは珍しくありません。
その原因の多くは、「条件の良さに目がくらみ、本来持っていたはずの転職の『軸』がブレてしまったこと」にあります。
この記事では、元エージェントの視点から、医師が陥りやすい「軸ブレ」による3つの失敗パターンと、後悔しないための思考法を解説します。
また、記事の最後には、ブログでは書けない「条件が良い求人の裏側」や「業界の裏話」を暴露したnote記事もご紹介します。
【失敗パターン1】「耳当たりのいい条件」で、本来の目的を見失う
これが最も多く、かつ厄介な失敗パターンです。 転職活動を始めた当初は、誰しも明確な動機(軸)を持っています。
「もっと専門的な症例を経験したい」
「子どもとの時間を確保するために、通勤時間を減らしたい」
「年収を1500万円くらいまで上げたい」
しかし、いざエージェントから求人を提示されると、心が揺らぎ始めます。
高年収・好条件の求人に潜む「軸ブレ」の罠
例えば、「専門性を高めたい」と考えていた先生に対し、エージェントが次のような案件を持ってきたとします。
「先生、専門医取得は難しいですが、年収2200万円で週4日勤務、当直なしという破格のクリニック案件が出ました。ここなら今より年収が500万アップしますよ!」
ここで、「……まあ、専門医は後でもいいか。この条件は逃すともったいない」と飛びついてしまうのが「軸ブレ」です。
目的のない転職が招く「キャリアの虚無感」
結果どうなるか。
入職して半年もすれば、高い給与や楽な勤務体系には「慣れ」が生じます。
すると、ふつふつと本来の欲求が顔を出します。
「俺はこんなルーチンワークをするために医者になったんだっけ?」
「同期はどんどん手技を磨いているのに、自分はここで何をしているんだろう」
条件は良くても、本来の目的が満たされていないため、深い虚無感や焦燥感に襲われることになるのです。
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【失敗パターン2】「逃げの転職」が癖になり、行き場を失う
「今の医局の人間関係が辛い」「とにかく忙しくて休みたい」 こうしたネガティブな理由が出発点の場合、「ここではないどこか」に行ければいいという思考になりがちです。
もちろん、心身を守るための緊急避難的な転職が必要なケースはあります。
しかし、怖いのはその先です。
「逃げの成功体験」が次の早期離職を招く
一度「嫌だから辞める」という行動で楽になれた経験(成功体験)をしてしまうと、次の職場でも少し嫌なことがあると「また転職すればいいや」という思考回路になりがちです。
転職回数が多い医師のリスクと市場価値
私が担当した先生の中にも、目的意識が薄いまま短期間での転職を繰り返し、「履歴書が汚れすぎて、もう紹介できる医療機関がない」というジレンマに陥ってしまった方がいらっしゃいました。
「逃げ」は一時的な鎮痛剤にはなりますが、繰り返すとキャリアそのものを蝕む毒になります。
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【失敗パターン3】紹介会社に「人生のハンドル」を握らせる
「忙しいので、私に合う良いところを見繕って提案してください」
「プロの視点で、おすすめを教えてください」
一見、プロを信頼しているように聞こえますが、このように主体性なく「丸投げ」するのは非常に危険です。
元転職エージェントとして正直に申し上げますと、こうした依頼を受けた時の担当者の反応は、大きく2つに分かれます。
カモにされる医師:ノルマ優先の提案
担当者がノルマに追われている場合、「この先生は誘導しやすい」と判断されます。
結果として、「すぐに決まる案件」や「紹介手数料が高い(=病院側が必死でお金を払ってでも人を集めたい)案件」など、紹介会社にとって都合の良い求人を優先的に案内される可能性があります。
機会損失のリスク:無難な求人しか出なくなる
逆に、リスクを取らない真面目な紹介会社の場合、先生の「軸」が見えないため、「どんな求人を案内していいか分からない」と困惑します。
結果として、ミスマッチによる早期退職(クレーム)を恐れ、当たり障りのない「可もなく不可もない求人」しか提案されなくなります。
これは大きな機会損失です。
自分のキャリアにとって何が「良い」のか。
その基準を持っているのは、エージェントではなく先生ご自身だけなのです。
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失敗しないための「回避マインド」
これらの失敗を防ぐために必要なのは、魅力的な条件を前にしてもブレない「自分軸」です。
「なぜ転職するのか?」軸を言語化する
目の前に「年収2000万・週4日」という魅力的なカードを出された時こそ、立ち止まって自問してください。
「この転職で、私は何を実現したかったのか?」
もし当初の目的が「手技の向上」なら、いくら高給でもその求人は断る勇気が必要です。
条件が良い求人は、得てして「何か(キャリアの将来性など)」を切り売りすることで成り立っていることが多いからです。
エージェントを「壁打ち相手」として使い倒す
優秀なエージェントであれば、先生が軸からブレそうになった時に「先生、当初の目的とズレていませんか?」と指摘してくれます。
逆に、甘い言葉ばかりで契約を急かしてくるエージェントは要注意です。
自分の思考を整理するために、エージェントとの対話を活用してください。
さらに深い「真実」を知りたい先生へ
「そうは言っても、好条件の誘惑に勝てる自信がない」
「条件が良い求人には、具体的にどんな裏があるのか知りたい」
そんな先生のために、ブログではオブラートに包んでしか書けない「好条件求人のリアル」や「お金と幸福度の残酷な真実」をnoteで公開しています。
元転職エージェントとして見てきた、「年収アップに成功したはずの医師が、なぜか不幸になっていく実例」を知ることで、あなたの転職軸はより強固なものになるはずです。
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